このシリーズでは普段あまり見かけない、一風変わった面白い形のパッケージにフォーカスを当てて紹介します。
サック箱の基本については、知っておきたい紙器パッケージの種類と特徴[サック箱編①]をご覧ください。

六角柱サック箱

今回紹介するのは六角柱のサック箱です。
六角柱の箱といえば神社のおみくじ棒が真っ先に思い浮かびますね（私だけ？）
そうそう、オーストラリアの可愛い人気者がたくさん行進しているお菓子の箱も有名ですね。
六角形の箱は一般的な四角いものと比べて、作り方や展開図がやや複雑になりますが、強度面・美粧性においてメリットがありますので、是非参考にしてみてください。

展開図例

 

六角柱ということで、六角形のフタと6つの側面で構成されています。
縦に入る6本の罫線のうち、左から3本目と6本目（太赤線）がサック貼りの折り罫線となります。
六角形のフタが浮き上がらないように、フタに差し込みフラップを設けています。

また、底のフタが抜けてしまう懸念があるので、上図のように差し込みL字フラップを用いて強度を高めています。
（地獄底でも対応可能です。）
尚、開け口のフタの差し込みが強すぎると、フタの一部が破れてしまうことがあるので注意しましょう。

（注）サック箱で作る場合は本体が縦に長い形状が適しています。
逆に背の低い、平たい箱はサック箱に向いていません。その場合は組み箱で作成されることをお勧めします。
詳しくは知っておきたい紙器パッケージの種類と特徴[サック箱編①]内の「サック箱の種類とメリット・デメリット」をご覧ください。

組立てイメージ

折り罫線を180度折りたたんで糊貼りし、他の罫線を起こして六角形の筒状にします。
フタの差し込みフラップを本体に差し込んで、六角柱の形態を保持します。

 

 

六角形の作図

六角形は6つの辺と頂点を持ち、内角の和が720度になる多角形です。
箱を設計する上で、各辺の長さの関係性を知っておきましょう。

以下は正六角形の辺と展開サイズの関係を示しています。
辺A（6つの側面の幅）をベースに考えると、仕上がりサイズの幅はAの2倍、奥行はAの√3倍となります。（√3＝1.7320508…）
つまり、この正六角形に内接する円の直径は√3Aとなります。

一方、以下の図は直径Bの円に外接する正六角形です。
この場合、各辺の長さはBの√3/3（0.57735…）倍になります。
内容物が内面にピタっと収まるサイズにしたい場合は、こちらの計算式で各辺の長さを算出しましょう。

イラストレーターの多角形ツールを使えば、簡単に六角形を作図することができますのでお試しあれ。

尚、いずれも紙厚を考慮していません。
紙の厚みの分だけ内側が狭くなるので、辺の長さを調整して、ほどよい寸法設定にしていきましょう。

アレンジ例

正六角形だけでなく、横長の六角形も作ることができます。
以下は正面と背面の幅を広くとって、ボトルが２本入るサイズ設定で作成しました。
また、窓穴を設けることもできたりと、デザインの自由度が高い点も特長です。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。
やや複雑な形にはなりますが、アレンジの幅が広く、様々な用途で使える点がメリットと言えます。
また、六角形の辺の長さや角度のアレンジ次第で、違った印象を与えることができるのも魅力的です。

デメリットとしては、六角柱のフォルムが特徴的なため、デザインがそのイメージに引っ張られやすくなるところでしょうか。
また、蓋面からの荷重には強いですが、側面からの強度はそれほど高くないので、置き方や内容物の保護に注意が必要です。
対応策として、箱の内側に補強用段ボール材を入れるなどの方法があります。
他にも、蓋の開け閉め、組立て難易度など、多角柱箱ならではの課題があげられます。
弊社では使用用途やコスト感を鑑みた最適設計を得意としています。
もしお気に入りの形状でデザインにお困りごとがございましたら、是非お手伝いさせていただきます。
ご遠慮なく弊社にお問い合わせください！

世の中には面白い・かっこいい・可愛いパッケージがまだまだたくさんあります。
本シリーズではそのような紙器パッケージを今後も紹介していきたいと思いますので、是非ご参考になさってください！

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